Veit8362(3)マルチフォームフィニッシャーの設定値 その2・・・書き忘れ…>_<…

ファイトマルチフォームフィニッシャー8362の設定値です。
前回書いたのは、スチームと乾燥時間のことでした。
スチームと乾燥時間は”1:10”、スチームを3秒入れると30秒の温風乾燥に設定してくださいね。
そして、梅雨時期など絶対湿度が高い中では設定値を少し変えて温風乾燥の時間を少し伸ばしてくださいね。
ということでした。

今回は書き忘れた、「風量」について書きたいと思います。
工場見学すると、風量を100%にしている工場を見かけます。
はっきり言って、100%にする状況はありえません。
とてつもない大風量を出せる8362です。
普通に風量100%などで使うと、洋服のシルエットが間違いなく崩れます。
しかも、前回書きましたが、
ジャケットなどの場合ボタンは留めずに上(外側)にしてセットします。

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なので、風量100%でお使いの工場は、ボタンを留めてセットしてい入るはずです。
でないと、あまりの大風量に前抑えが効かずに外れてしまうはずなのです。
そして、前抑えを使用して風量100%にすると、

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外れます。。。
仕上がりは・・・

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もう最悪。
もし外れなかったとしたら、それはそれでやばいです。
よく見てくださいね。
ボタンホールが歪に広がっていると思います。

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ボタンホールが引っ張られて歪な形になっているのがわかりますか?
セットから外すと、

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コートなども・・・かなり引っ張られます。

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手直し、もしくはもう一度かけなおしの手間がかかります。

最終仕上げの機械ですから、機械から外した後は修正がないようにしたいものです。
当社では、標準65%です。
色々設定してみた中でこの値が一番しっくりきました。
前ファスナーなどのジャンパー、コートなどは場合によっては70%〜80%にして使うこともあります。
そこはアイテムによって変更はします。が、100%で使うことはないです。
100%でお使いの工場は一度、仕上がりを見てみてください。
シルエットが崩れているはずです。

前回のスーチーム量といい、今回の風量の件といい、
はっきり書きます!
Veit8362は
しわ伸ばしの機械ではありません!!!
仕上げ機です!!
シルエットを作り出すための仕上げ機なのです。

もし、しわを伸ばすために使われているのであれば、
その原因を前工程に探してみてはどうでしょうか?
「前工程は後工程のために!」
仕上げの前工程は乾燥、乾燥の前工程は絞り(マークⅡの場合)、絞りの前工程は洗い、洗いの前工程は前処理、前処理の前工程は入荷棚、・・・。
どの工程でシワが入ったのか?
そのシワは前工程で伸ばせないのか?
そもそも、シワをつけずに預かれないのか?
そんなことを考えながら、工場の各工程を見てきました。
「清流が流れるごとく・・・」
誤解をうむかもしれませんが、前工程で滞った方がいいのです。
最終工程がスムーズに流れないと、どこかで滞留してしまいます。
この滞留は中間工程であれば、なんとか吸収することができるのですが、最終工程で滞留するともう、どんどんどんどん溜まる一方です。
※これはあくまで持論です。本来のトヨタ式では当てはまらないと思います。
そして、最終工程(一番最後の工程)はお客様なのです。
「前工程は神様、後工程はお客様」という言葉があります。
常に、後工程がスムーズに行くように前工程は考え、改善していかなければなりません。
工場を見回してみて、溜まっているところに何らかの”問題”があるのです。

少し話は逸れました^^;
この前工程の考え方については、当社なりの工夫がありますのでまたの機会に順を追って書きたいと思います。

戻ります。
Veit8362の設定値を一度、見直してみてください。
スチームが長いのに、乾燥時間が短い!
基準設定の風量が80%以上になっている!
包装する前に湿気の戻りはないですか?
仕上がった後の洋服のシルエットに問題はないですか?
何度も書きますよ!


Veit8362はしわ伸ばしの機械ではありません!!!
シルエットを作り出す、最終仕上げの機械です。

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