”高性能”(笑)人体仕上げ機・マルチフォームフィニッシャー Veit8362ですが、
ジャケットを仕上げる時の設定値をどのようにしているでしょうか?
8362が入っている工場を何件か見学したことがあるのですが、
それぞれの工場で設定値はバラバラです。
それぞれに考えがあっての設定ならばいいのですが、何も考えずに設定していたのならそれは恐ろしいことかもわかりませんよ。
経営者(社長)が設定について無関心であることが怖いですね。
僕がよく見る設定で
① スチーム(蒸気)がやたら多い(長い)
② 風量が100%になっている(もしくはそれに近い)
があります。
当社のジャケットを仕上げる時の設定値は
標準です。
この時期、設定を変えるのご存知ですか?
なぜ変えるのか、理由がわかりますか?
今の季節は梅雨です。
湿度!むちゃくちゃ高いです。
繊維にとってこれほどの悪条件はないのです。
”湿気の戻り”があります。
洋服に湿気が残っといると、繊維は戻ってしまいます。
いくら、高性能な仕上げ機でも洋服に湿気が残っていると、かけ終わった時はシワがないのですが、
しばらくしてみてみると、へにゃ〜となっているはずです…>_<…
本当は、かけ終わった後、冷風で冷却できればもっといいのですが、そこまでの機能は付いていません。
通常8362マルチフォームフィニッシャーの設定基準はスチームと温風の割合が1:10です。
スチームを1秒入れたら、乾燥温風を10秒入れなくては乾きません。
(実際にはもう少し早いのですが、目安として1:10です)
スチームを長くすると、確かに水分を与えるわけですから繊維は動きやすくなりますのでシワは伸びやすくなります。
しかし、スチーム時間がむちゃくちゃ長いのにもかかわらず、乾燥温風時間が短いと繊維は動きやすいので、へにゃ〜となった状態で包装されることになります。
こんな状態でビニールを被せられると・・・(||゚Д゚)ヒィィィ!
今までの話は通常期での話です。
この時期、絶対湿度が高い中、同じ設定ではダメですよね。
当社はこの時期は、
温風乾燥時間を少し伸ばします。
これもよく見かける光景ですが、
袖の部分の着癖のシワを伸ばすためにスチームを手動で長くするようです。
なかなか、それだけでは伸びませんよ。
そんなことをして、工場内を暑くする(笑)んだったら、8362にかける前にさっとアイロンでその部分だけプレスしておけばいい話です。
もう一つ、かけ終わった後ハンガーアップしてからシワの部分をアイロンで蒸しながらかける光景!
しかも、スチーム!ブワ〜〜って!!
ダメダメです。
ちょっと一見、かっこいいプロ!みたいなスタイルですが、
プロとして、恥ずかしい行為です。
もし、やるとしたら、ほんの少しほんのすこ〜〜し、スチームを出して、あとは乾熱のアイロンでしばらく乾かしてください。
でないと後で見たとき、シワは伸びてるかもわかりませんが、絶対にその部分がヨレ〜〜てなってるはずです。
シワを伸ばすのにスチームは有効ですが、洋服(繊維)にとってのスチーム(湿気)は大敵です。
梅雨のこの時期、どうしても湿度が高くプレスがきまりにくいのですが、
8362などは一度設定値を見直してみてくださいね。
あ、これも見かけたことがあるんですが、
必ず、ボタンが上ですよ。
ジャケットなどを8362にかける時、ボタンをかけてはいけません。
必ず、ボタン側を上(外)にしてセットしてくださいね。